チョコレートドロップ(西部130高地) (那覇市首里石嶺町2丁目)           2007年11月撮影

 「チョコレートドロップ」という名称は平野部から突出したその形状から米軍が名付けたものであるが、その名称のインパクトから日本側の戦後の戦記などにも幾度となく登場する。その独特の地形は日米双方の砲迫部隊の観測点として重要な位置を占めるとともに、日本軍にとっては連接する130高地(ワート)・140高地(フラットトップ)・150高地(ディック)とともに防御陣地の一角を形成していた。最終的には独立29大隊が馬乗り攻撃を受けるに至って米軍に占領されるが、平野部から戦車の集中攻撃を受けるなど守備部隊にとって過酷な戦闘となった。
 当時の写真の中央左に盛り上がった丘が「チョコレートドロップ(西部130高地)」であり、その左にある丘は「130高地南コブ」と呼ばれた。双方とも戦後の宅地化によって削られて現在ではその姿をみることは出来ないが、その場に立つと平野部にむかって急な下り坂になっていることから何とか場所が特定できる。また当時の写真中央に左右に流れる細長い稜線が130高地(ワート)であり、この状況を米軍公刊戦史に照らし合わせると5月13日の戦闘で撃破された米軍戦車であると推察できる。
 現在の写真は140高地(フラットトップ)の給水塔上からの撮影で、画角は戦時・現在と同じものであるが、より高い位置から撮影したために水平線が写り込んでいる。尚、撮影場所である140高地は再開発によって数年後には姿を消す予定であり、歩兵第22連隊・歩兵第32連隊などが奮戦したこの戦場も完全にその姿を消すことになる。加えて写真手前の建設現場には高層団地が建設されており、この角度から見る風景もこれが最後であると思われる。    
 (撮影に際しては那覇市市営住宅室のご協力を頂きました)